■ 2017年6月13日 「なにも生きている方の臓器をいただきたいとは申しません。」
こういう声を聞くにつけても、私は母のことを思い出しました。
「医者になんか一度もかかったことなかったんに。」
「赤いスポーツカーだったんや。」
「何十メートルも跳ね飛ばされんや。」
「口から血の泡を吹いとったんや。」
親族が泣いて私に伝えます。
ロサンゼルスにいて間に合わなかった私は、集中治療室であえなくこと切れた母の断末魔のうめきを聞くようでした。
ところが仏壇の前に横たえられた母は、ぽかんと口を開けて眠っているではありませんか。
きれいにお化粧をした屍は教えます。
生と死、その境目など、母のほかに誰も立ち入ることはできない。
すでに硬直が始まっていても、この母から心臓や肺や肝臓や腎臓や膵臓や小腸を取り出すことなどできるはずもない。
倫理でも科学でもなく、直覚です。
だから私はくだんの患者団体が口々に続ける生の叫びにおののいたのです。
「そうではなく、亡くなった方の臓器をいただきたいのです。ですから、脳死を人の死と決めてください。」
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